CREATORSクリエイター紹介

音楽史に残る数々のアーティスト作品をコーディネート

デザインチームに在籍するスタッフの中でも、ベテランのデザインコーディネーター3名をご紹介。

富岡 克文

富岡 克文KATSUFUMI TOMIOKA

1970年生。多摩美術大学卒。ビクター入社後、さまざまなアーティストのビジュアルをプロデュース。
担当アーティストは、SMAP、Dragon Ash、THE MAD CAPSULE MARKETS、藤原ヒロシ、大原櫻子など。

Works&Interview

HIROSHI FUJIWARA BEST藤原ヒロシ

藤原ヒロシさんを担当させていただいたのは、自分の中で大きかったですね。初めてひとりで担当させていただいたし、直にアーティストと接して関わったという意味でも僕のデビュー作だと思います。
これはアナログ盤ですが、アートディレクションは立花ハジメさんで、彼を含む6人のクリエイターの作品をフレームに見立てたジャケットに飾れるという遊び心があります。今でも部屋に飾っていて、大好きな作品ですね。僕としてはこの作品をなるべく、たくさんの人に見てもらいたくて、店頭に並ぶ時に6種類の面を出してもらったんです。そういう作業は一見するとクリエイティヴに見えないかもしれないですけど、実は店頭での見え方はユーザーの皆さんと一番接点がある部分なのですごく大切だと思ってます。
藤原ヒロシさんとの仕事で財産になったのは、ヒロシさんはポイントだけ言って、あとはわりと任せてくれるんですよ(笑)。自分は当時まだ20代でしたが、その意向に添えるようにすごく頑張れた気がしますね。僕自身の仕事は、アーティストやクリエイターからの提案を、世の中的にどうみせるのが効果的かを考えながら、プロジェクト全体をまとめあげ、ユーザーへ届けることだと考えています。なので、アーティストとスタッフ間の信頼関係やチームワークがとても大切だということも学びました。

MIJSMAP

SMAPの作品にはどれも思い入れがあるので、1点に絞るのは難しかったです。『MIJ』というのは「MADE IN JAPAN」の略なんですね。先日のワールドカップを見ていても感じましたが、日本人の選手が世界で大活躍するような時代じゃないですか。そういう時代に生きている自分達も、胸を張って生きていこうというメッセージがあるんです。いわゆる愛国心って、扱いによってはテーマとしてすごく重かったりすると思うんですが、このアルバムでは、それを割とポップに表現できたと思いますね。
で、実はこのアルバム、ジャケットのデザインを16種類にして発売したんですよ。メッセージをランダムに切りとったデザインもマスプロダクト的で、ポップに見せられた要因かなと。配慮したのは、出荷の時に、同じデザインが地域ごとで固まらないようにしたことですね。そういうことにも配慮するのがクリエイティヴなんだなって思います。あと、宣伝方法に関しても独特な試みをしていて、このアートワークをリアルな工事現場の白壁にラッピングさせてもらったんですよ。場所は原宿だったかな、Sルームのスタッフで交渉して何とか実現しました。日々うつり変わる都市の風景をメディアとしてジャックする、というのも斬新だったかと思います。

010THE MAD CAPSULE MARKETS

MADはPOSITRON(ポジトロン)の土井(宏明)さんがアートディレクターとしてビジュアルのキーマンで引っ張ってくれていました。
まず『DIGIDOGHEADLOCK』というアルバムがあって、そのジャケットで「POCHI」というキャラクターを作ったんです。当時としては、最先端のCGで制作しました。完成するまでにはポリゴンといって制作過程のものができるんですが、そのビジュアルをアレンジして先行シングルの『SYSTEMATIC.』というシングルのジャケットに使い、その後キャラクターをどんどん進化し拡張させたんです。そうこうするうちに、このキャラクターがバンドのイメージと相まって浸透していったんですよ。それで次のシングルの作品にチョロQをつけたり……とかムチャしてました(苦笑)。
チョロQについては、発売元であるタカラさんに連絡したら最初断られたんですが、粘って社長室に電話して話だけでも……と言ってプレゼンさせていただいたら、賛同してくださったんです。今でこそグッズ付き複合商品は当たり前ですが、僕らはこれを20年くらい前からやっていたことを考えると、突っ走ってたなぁと。2001年に出した『CH(A)OS STEP』はキューブリックつきでしたしね。
とにかくリリースの度に話題性があったので、いろんなクリエイターから「MADと一緒にやってみたいです」って言われることも多くて、すごく嬉しかったです。
この『010』はビジュアルがCGの世界でどんどん進化していくうちに、とうとう本物の等身大ヒューマノイドを制作して実写化したという意味で、ある種ハリウッド的なジャケットですね(笑)。
MADというバンドの求心力に多くのクリエイターが集まって実現した素晴らしい作品です。

HIROSHI FUJIWARA BEST藤原ヒロシ
MIJSMAP
010THE MAD CAPSULE MARKETS